令和7年度 全国青年委員長会議 参加報告書
会議の名称 : 令和7年度 全国青年委員長会議開催日時 : 令和7年3月7、8日(土,日)
開催場所 : 豊橋市つつじが丘市民館、および、つつじが丘保育園(愛知県豊橋市)
参加者 : 藤井 貴之(三島郡支部)
議題 : 『建築士会の豊かな職能とその可能性を掘り起こし 社会とのかかわり方を広げよう』
〜アイデアをカタチにした学生コンペ 徹底解剖〜
① 参加の目的:
1つ目は「学生参加型実施公共建築整備」という先進的スキームのプロセスを学び、多様なステークホルダー(建築家・学生・設計者・施工者・行政・関係当事者(今回は保育士))が関わるプロジェクトにおける「合意形成の難しさ」や「実務上の課題」を検証し、今後、類似事業を展開する際、建築士、建築士会として参加者の適切なサポート、プロジェクトを安全かつ円滑に導くため体制構築の検証とするため。
2つ目はこの事業から考える、社会における建築士会の「職能の活用」。
地域の課題を読み解き、職能を活かし、社会的価値へと変換できる専門家集団それが建築士会です。建築士が本来持つ専門性や得意分野を掘り起こし、各事業を通じ社会に還元する活動モデルの構築のため。
②会議の内容:
1日目:つつじが丘保育園の現地視察および関係者とのグループワークを実施。完成した建築の視察だけでなく、学生の自由なアイデアを「現実と建築の壁」にいかに着地させるかという、実施プロセスにおける現実的な苦労や反省点が共有された。
2日目:「AIを知る・使う」をテーマとした実践的なグループワークを実施。青年委員会として「楽しいと思える活動(やりたいこと)」と「やらなければならない活動(社会的使命)」を整理し、ChatGPT等の生成AIを活用して、それらを具体的な事業アイデアへと昇華させ、発表するプロセスを体験した。


具体的には(分析・提案・考察)
1.分析
学生への過剰負担: デザインを追求する学生に対し、時間的・経済的な実務負担が過剰にかかった。学校等の配慮やサポート体制が必要であった。
理想と現実の衝突: 「建築の可能性」と「保育現場の現実(安全性・衛生面・日々の使い勝手)」を両立させるためのすり合わせに時間と予算が必要。
2.提案
「参加者の保護」と「参加範囲」の明確化 学生コンペを企画する際は、参加範囲が「アイデア提供」なのか「実務参画」なのかを事前に明確にする。教育機関とも連携し、学生が孤立したり過度な負担を抱えたりしない体制を構築すべきである。
「エンドユーザー志向」の徹底 我々建築士の最大の役割は、多様な意見を調整し、
「使い手の日常(安全性やメンテナンス性など)」を最優先で守り抜くことである。
建築の追求が使い手の不利益にならないよう、プロとして現実的な判断を下せるコントロール体制を事業計画に組み込む必要がある。
3.感想・所見
そもそも本事業の発端は、市役所における技術職のリクルート(人材確保)問題にあったという。しかし、実務と責任の境界が曖昧なプロセスを学生に強いたところで、入庁意欲の向上に繋がるとは考え難く、仮に入庁したとしても早期離職を招く結果になりかねない。
美しい完成写真の裏側には、関係者間の絶え間ない衝突と、それを統合するための泥臭いプロセスがあることを改めて痛感した。建築は決して一部の者の理想を実現する作品ではな く、人々の命と日々の営みを支えるための器でなければならない。「デザインや建築の可能性」の追求が、日々のユーザーを苦しめてしまっては本末転倒である。
対象が公共建築である以上、企画・建設から運用、将来の解体に至るまですべてに税金が投入される。少子高齢化が進む中、その限られた財源がどこへ注がれるべきか、我々プロはよりシビアに見極めなければならない。
今回の会議を通じ、人間ならではの泥臭い合意形成の重要性と、AIによる圧倒的な生産性向上の両面を学んだ。これからの青年委員会には、最新ツールを活用して時間的余裕を生み出し、その上で「誰のために、何をするのか」という最も根源的な問いから逃げずに事業を構築していくことを強く期待したい。
最後になりますが、今回の会議・ワークショップにおいて、特に関東ブロック圏内の皆様には大変お世話になりました。楽しくもあり、深い学びもある非常に有意義な研修となりました。この場を借りて深く感謝申し上げます。
開催場所 : 豊橋市つつじが丘市民館、および、つつじが丘保育園(愛知県豊橋市)
参加者 : 藤井 貴之(三島郡支部)
議題 : 『建築士会の豊かな職能とその可能性を掘り起こし 社会とのかかわり方を広げよう』
〜アイデアをカタチにした学生コンペ 徹底解剖〜
① 参加の目的:
1つ目は「学生参加型実施公共建築整備」という先進的スキームのプロセスを学び、多様なステークホルダー(建築家・学生・設計者・施工者・行政・関係当事者(今回は保育士))が関わるプロジェクトにおける「合意形成の難しさ」や「実務上の課題」を検証し、今後、類似事業を展開する際、建築士、建築士会として参加者の適切なサポート、プロジェクトを安全かつ円滑に導くため体制構築の検証とするため。
2つ目はこの事業から考える、社会における建築士会の「職能の活用」。
地域の課題を読み解き、職能を活かし、社会的価値へと変換できる専門家集団それが建築士会です。建築士が本来持つ専門性や得意分野を掘り起こし、各事業を通じ社会に還元する活動モデルの構築のため。
②会議の内容:
1日目:つつじが丘保育園の現地視察および関係者とのグループワークを実施。完成した建築の視察だけでなく、学生の自由なアイデアを「現実と建築の壁」にいかに着地させるかという、実施プロセスにおける現実的な苦労や反省点が共有された。
2日目:「AIを知る・使う」をテーマとした実践的なグループワークを実施。青年委員会として「楽しいと思える活動(やりたいこと)」と「やらなければならない活動(社会的使命)」を整理し、ChatGPT等の生成AIを活用して、それらを具体的な事業アイデアへと昇華させ、発表するプロセスを体験した。


具体的には(分析・提案・考察)
1.分析
学生への過剰負担: デザインを追求する学生に対し、時間的・経済的な実務負担が過剰にかかった。学校等の配慮やサポート体制が必要であった。
理想と現実の衝突: 「建築の可能性」と「保育現場の現実(安全性・衛生面・日々の使い勝手)」を両立させるためのすり合わせに時間と予算が必要。
2.提案
「参加者の保護」と「参加範囲」の明確化 学生コンペを企画する際は、参加範囲が「アイデア提供」なのか「実務参画」なのかを事前に明確にする。教育機関とも連携し、学生が孤立したり過度な負担を抱えたりしない体制を構築すべきである。
「エンドユーザー志向」の徹底 我々建築士の最大の役割は、多様な意見を調整し、
「使い手の日常(安全性やメンテナンス性など)」を最優先で守り抜くことである。
建築の追求が使い手の不利益にならないよう、プロとして現実的な判断を下せるコントロール体制を事業計画に組み込む必要がある。
3.感想・所見
そもそも本事業の発端は、市役所における技術職のリクルート(人材確保)問題にあったという。しかし、実務と責任の境界が曖昧なプロセスを学生に強いたところで、入庁意欲の向上に繋がるとは考え難く、仮に入庁したとしても早期離職を招く結果になりかねない。
美しい完成写真の裏側には、関係者間の絶え間ない衝突と、それを統合するための泥臭いプロセスがあることを改めて痛感した。建築は決して一部の者の理想を実現する作品ではな く、人々の命と日々の営みを支えるための器でなければならない。「デザインや建築の可能性」の追求が、日々のユーザーを苦しめてしまっては本末転倒である。
対象が公共建築である以上、企画・建設から運用、将来の解体に至るまですべてに税金が投入される。少子高齢化が進む中、その限られた財源がどこへ注がれるべきか、我々プロはよりシビアに見極めなければならない。
今回の会議を通じ、人間ならではの泥臭い合意形成の重要性と、AIによる圧倒的な生産性向上の両面を学んだ。これからの青年委員会には、最新ツールを活用して時間的余裕を生み出し、その上で「誰のために、何をするのか」という最も根源的な問いから逃げずに事業を構築していくことを強く期待したい。
最後になりますが、今回の会議・ワークショップにおいて、特に関東ブロック圏内の皆様には大変お世話になりました。楽しくもあり、深い学びもある非常に有意義な研修となりました。この場を借りて深く感謝申し上げます。