関東甲信越ブロック会まちづくり交流会in栃木県上三川町

関東甲信越ブロック会まちづくり交流会in栃木県上三川町
まちづくり委員長 鈴木 博

令和7年10月31日、栃木県上三川町(かみのかわまち)にて開催された「令和7年度 関東甲信越ブロック会まちづくり交流会」に参加しました。本交流会は、関東甲信越ブロック内の建築士が一堂に会し、各地域が抱える課題や、その解決に向けたまちづくりの取組を共有・議論することを目的として開催されています。
今回は、宇都宮市の南に位置する上三川町を舞台に、町に寄贈された国登録有形文化財「生沼家住宅」と、その周辺市街地を対象として、まち歩きとワークショップを通じ、地域資源の活用や中心市街地の活性化について考えるプログラムが組まれました。

午前中に行われたまち歩きでは、「居心地よく歩きたくなるまちなか空間づくり」をテーマに、参加者各自が気になった場所を写真に収めながら町を巡りました。観光地ではなく、住民の日常生活の場であることを意識しながら歩くことで、空間の使われ方やまちの雰囲気など、現地でしか感じ取れない多くの気づきがありました。
午後のワークショップでは、まち歩きで撮影した写真をもとに、「なぜその場所に着目したのか」「どのような仕掛けが考えられるか」について、ハード・ソフト両面から意見交換を行いました。あわせて、生沼家住宅を今後どのように活用していくかについても議論が行われ、文化財としての価値を守りながら地域に開かれた拠点として機能させるため、「建築士会の事務局として活用してはどうか」といった意見をはじめ、多様なアイデアが提案されました。
各グループの発表には上三川町長も参加され、建築的な視点に加え、運営や人の関わり方、日常的な使われ方、さらには地域の文化を生かした活動などについて意見が交わされました。まちづくりにおいて「空間」と「活動」を一体として考えることの重要性を、改めて実感する機会となりました。

その後、参加者と上三川町長も交えて行われた懇親会では、前向きで共通の問題意識を持つ方々との率直な意見交換が行われ、有意義な時間を過ごすことができました。
本交流会を通じて、歴史的建造物の活用や市街地活性化は、単発の整備ではなく、地域全体の文脈や暮らしに寄り添った視点が不可欠であることを再認識しました。今回得られた知見や、他地域の建築士との交流を今後の地域活動や実務に活かしていきたいと考えるとともに、上三川町のこれからの展開が楽しみです。